自作したコンバーターと既製品で遅延の測定・比較を行いました。
以前計測してTwitterに掲載していた内容を、整理してまとめたものになります。
比較対象
- PS1/PS2-USBコンバーター [LAY-002-01]
私が製作・販売しているコンバーターです。 - サンワサプライ製 JY-PSUAD1
シルバーが特徴的な、コンバーター全盛期にレスポンスがいいと評判だったものです。私も愛用していました。 - サンワサプライ製 JY-PSUAD11
同じくレスポンスの評判がよかったコンバーターの黒い方です。 - エレコム製 JC-PS201UBK
エレコム製は品揃えが豊富だったものの、ゲーマーの間では「サンワサプライより遅延があり外れが多い」と噂されていました。 - 中華コンバーター
AmazonやAliExpressでよく見かける安価なコンバーターです。現在も購入できるほぼ唯一の既製品です。 - 二股コンバーター
上記のコンバーターをAliExpressで購入しようとしたらたまたま見かけた、二股になっているコンバーターです。昔から、2P繋がるコンバーターは1Pものよりもレスポンスが悪くなると話題だったので気になって購入しました。
計測結果
青軸がボタンを300回押した際の遅延の平均値を表しています。
右に行くほど遅延が多いことを示します。
赤い線は遅延の最小値・最大値を表しています。
線が長いほど遅延の量がブレる=押したタイミングが早くなったり遅くなったりと安定しない事を示します。
デュアルショックのアナログボタン(中央の赤く光る部分)の状態により値に差があったため、デジタルモードでの計測を(D)、アナログモードを(A)としています。
※中華コンバーターはデジタルモードでは動作しなかったため、アナログモードのみ掲載。
二股コンバーターは逆にアナログモードでは動作しなかったため、デジタルモードのみ掲載しました。
所感
LAY002-01
自作コンバーターのLAY002-01は、デジタルで7.13ms、アナログで10.57msと非常に優秀な値になっています。
遅延が最大の場合でも1フレーム(約16ms)を下回っているため、使用していて遅延を体感することはほとんどないでしょう。
また、ブレ幅(赤線)も狭いため常に狙ったタイミングで反応することが期待でき、快適に使用できると思います。
中華コンバーター
他と比べると15.44msとそこそこな値を出しています。値段と入手性を考えればコスパは悪くなさそうです。
ただしブレ幅が非常に大きく、狙ったタイミングで反応することは全く期待できません。
タイミングが重要な音楽ゲームや、格ゲーのコンボなどでは意図しないタイミングのズレが発生することがありそうです。
また、アナログモードのコントローラーしか反応しない場合があり、アケコン(レバー)や音ゲーの専用コントローラーなどデジタル信号のコントローラーでは使用できない可能性があります。
サンワサプライ製
サンワサプライ製の2製品は自作品と比べると遅延の量が目立ちます。
しかしデジタルで22ms台・アナログで25ms台と、遅延やブレ幅はそれなりの値に収まっており、当時の製品の中では評判通りの優秀さを持っていたことが分かります。
エレコム製
エレコム製コンバーターは、アナログモードにおいては24.73msとサンワ製と大きく変わらない成績でした。
デュアルショックなどアナログ接続するコントローラーではサンワ製と同様に使用できそうです。
しかしデジタルモードでは一気に30.85msと遅延が増加し、またブレ幅も非常に広くとても不安定になりました。
ブレの最大値は44.19msを記録しており、デジタル接続の格ゲーや音ゲーコントローラーには不向きと言えるでしょう。
二股コンバーター
最後の二股コンバーターは論外です。
平均値は今回のグラフに収まりきらず47.97msと、とてつもなく遅いです。
ブレ幅は(グラフには記載できていませんが)最大で98.72msとこちらもあり得ない値となり、このコンバーターで快適にゲームをすることは不可能でしょう。
計測手法
Raspberry PiとコントローラーをUSBで接続し、ボタンの回路にGPIOの信号を接続することで、自律してボタンを押す制御をできるようにしています。
Pythonのプログラムにより、自分でコントローラーのボタンを押してから、USB経由でゲームコントローラーの信号を受信するまでを計測しています。
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