概要
みなさんPS1のゲーム遊んでいますか?
うちのPS2は5鍵beatmania専用機になりつつあります。(PS1でもいいじゃんって?音声を光デジタル端子から出力できるのでPS2の方が嬉しいんですよ)
ところが現代の液晶テレビ・モニターにはコンポジット(黄白赤端子)やS端子がないので、プレステを映す手段がないという事も多いかと思います。
そんなとき映像をHDMIに変換できるコンバーターがあると便利ですよね。
HDMIコンバーター
便利なHDMIコンバーターですが、ゲームに使用するとなると遅延が気になるところ。
海外製のOSSCやRetroTINKシリーズは遅延が少ないことで有名ですが、国内での入手性があまり良くないです。
使っているのは結構気合いを入れてゲームする人に限られている印象があります。
また、国内で購入しやすく人気の高かったフレームマイスターは現在終売。
しかも現代的なOSSCなどのラインダブラー方式に比べると遅延が大きいと言われています。(それでも当時は十分早かったのですが)
そんな状況の中、最近流行っているのがゲーム機本体に直接繋ぐだけでHDMIに変換して映像出力してくれるというタイプのコンバーター。
Amazonなどで安い製品も多く見受けられますが、中にはPS2のみ対応(RGB映像の入力ができない)というのも多いです。
PS1のゲームがやりたいという都合もあるので、今回はコロンバスサークルさんから発売されているPS1への切り替えに対応しているコンバーターを購入しました。
前置きが長くなりましたが、今回はこのコンバーターがどの程度の遅延を持っているのか検証してみたいと思います。
検証環境
遅延計測
Time Sleuth Display Lag Tester
自身が出力した映像を自身で検知することで、モニターや変換器の遅延を単体で測定してくれる優れもの。
マジで便利なので遅延気にする人は一家に一台あっていいやつ。
当時CASTLEMANIAで購入しましたが現在は販売ページが無さそう?
VideoGamePerfectionには在庫があったりなかったり。
モニター
Sculptor M158FA
Amazonでセールの時によく対象になっているので適当に買ったモバイルモニター。
実は遅延がブラウン管比で2.5ms(0.15F)程度という、なかなかに優秀な液晶です。
普段使っている4K REGZAだと遅延にブレがあるので、今回は遅延量が安定しているこちらを使用します。
HDMI VGA変換アダプター
Time SleuthからはHDMI出力しかできないので、RGB信号で検証できるようにVGAに変換します。
こちらは別件で遅延計測した限りほぼ0ラグ。
というかこの類のアダプタで大きなラグがあるパターンをほとんど見受けられないので多分何でもいいやつ。
VGA AVマルチ変換基板
プレステのHDMIコンバーターは、たいてい本体直結なのでTime Sleuthで出力した映像を流し込む術がない。
なのでAVマルチ端子に差し込めるように製作した同じ幅の基板により、VGAの映像をまるでプレステからの出力のように流し込めるようにした。
ついでにVGAはH/VSyncなので混ぜ込んでCSyncにする回路も組み込みます。
たまたま家に転がっていたTC4030BP(XOR回路)を掛け合わせてCSyncを生成。
参考情報
測定結果
Time Sleuthで計測する遅延量は画面のどこを測るかで結構変わるので、今回は画面中央左側の測定部に半固定してできるだけ動かないようにして測定した。
240p
モニターへの接続経路 | 実測値(ms) | 直結との差分(ms) | 備考 |
---|---|---|---|
Time Sleuth→HDMIでモニター直結 | 10.60 | – | 基準値となる直結接続 |
VGA化→OSSC (AV3)→HDMI | 10.60 | 0.00 | VGAアダプタとOSSCによるラグ検証 ほぼ0ラグ |
VGA化→AVマルチ化→PS-RGBケーブル→OSSC→HDMI | 11.92 | 1.32 | 検証環境と同じ構成でRGB→OSSCの場合 上と実質やってること変わらないのに少し遅い(CSyncの影響か) |
VGA化→HDMIコンバーター→HDMI | 17.80~34.08 | 7.20~23.48 | 遅延の幅にブレが目立つ フレーム換算で0.4F~1.4F程度か |
480i
モニターへの接続経路 | 実測値(ms) | 直結との差分(ms) | 備考 |
---|---|---|---|
Time Sleuth→HDMIでモニター直結 | 10.57 | – | 基準値となる直結接続 |
VGA化→OSSC (AV3)→HDMI | 10.57 | 0.00 | 240pと同じくほぼ0ラグ |
VGA化→AVマルチ化→PS-RGBケーブル→OSSC→HDMI | 12.12 | 1.55 | 240pとあまり変わらず |
VGA化→HDMIコンバーター→HDMI | 14.46~33.22 | 7.26~22.65 | 240pと同じくブレ幅あり |
その他
HDMIコンバーターに480pや720pを流し込んでも受け付けてもらえたので念のため記録。(PS1を前提に検証しているので検討外)
モニターへの接続経路 | 実測値(ms) |
---|---|
VGA化→HDMIコンバーター→HDMI (480p) | 31.04~47.12 |
VGA化→HDMIコンバーター→HDMI (720p) | 31.47~48.18 |
検証風景
まとめ
比較対象として計測したRGBケーブル+OSSCによる遅延が1.6ms未満(0.1F未満)なのは文句の付けようがない。
肝心のHDMIコンバーターの遅延は、絶対量としては2F未満に収まっているので著しく遅いということはなさそう。(OSSCが優秀すぎる)
音ゲーの観点で見ても、1F程度ならギリギリ我慢すれば問題ない範囲かな?といったところ。
ただし、遅延が一定ではなくブレがあるのが少し気になるところ。
常に一定の遅延なら「そういうもの」と体で慣れることができるものの、ブレてしまうと信じるための「軸」がなくなってしまうので1Fビタ押しでスコア狙いたいときなどにとても辛い。
「とにかくプレステがHDMIで映せればいい、1~2Fの遅延が問題になることなんてない!」という人には、お手軽に現代のモニターで遊べるようになるので悪くない選択肢と言えそう。
(ただそういうこだわらない人の場合、映す液晶の方がよっぽど遅延してそう…)
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